フィリスのアトリエ レビュー
元は9月発売予定だったけど11月に延期
ソフィーが去年の11月で10ヶ月は早すぎると思ってたのでだいたい予想通り
●基本情報
公式サイト:http://social.gust.co.jp/firis/
発売日:9/29→11/2に延期
メーカー:ガスト(コーエーテクモ)
機種:PS4.PSV
売り上げ本数:43000本(4gamer調べ)
投稿時のプレイ時間:25時間くらい
●良いところや特徴的な部分
・RPGのようなフィールド探索
従来のように町⇔アトリエを行ったり来たりするのではなく、大きなフィールドマップを歩いて行く方式に
今までより遥かに広くて自然あふれる光景が広がっており、「旅の錬金術士」と言うタイトル通り旅をしている感が味わえる
調合は特定のポイントでテントと言う名のアトリエを開くことができてそこですることになる
アトリエを開けるポイントのたき火や各地に点在するスポットのランドマークを見つけるとそこにワープできるようになるのでそこまで移動が面倒に感じることはない
クリア後は高速移動アイテムの箒を作ることができるので快適になる
歩くより格段に早く、低空ではあるものの空を飛んで水辺を通ることもできるようになるので高い視点から広い世界を眺めることもできる
・調合
前作から引き続きパネル当てはめ式の調合
素材の良し悪しを決めるカテゴリ値が錬金成分に変更、釜に変わってパネルに影響を与える触媒、調合LvだけでなくアイテムごとのLvと言える熟練度などが変更点
オープンワールドに合わせたからか、なんと今回の調合はシリーズお決まりの物語の進行によってできることが増えていくと言う要素がない
さすがに素材もLvも揃わない序盤から強すぎるものを作ることはできないが、システム的な縛りはないので自由度と言う面ではかなり高い
・レシピ発想
色々な行動を取ることによって作れるアイテムを発想していくのは前作と同様
今回はクエストクリアなどで発想ポイントと言うのが貯まり、それによって開放することができるようになった
前作では「条件がわかってるのにいつまでも開放できない」ってことが少なからずあったのでそれへの救済措置と思われる
また、発想と言いつつ実質的に物語によって開放&ヒントも多かった前作とは違って、本当に行動しないと発想しないくらいのノーヒントのものもあるのでより「発想」と言う言葉が当てはまるシステムになった
ソフィーではほぼイベント専用だった本によるレシピ習得も限定的ながら復活していて、店で売っているものを買うことで覚えることもできる
・戦闘
スタンスがなくなり、先入力制から個別のコマンド制になった。交代制でもないので近年でもっともシンプルな戦闘システムに
習得しているスキル以外にもメイン&サブの武器ごと使えるスキルが設定されたので使えるスキルは大幅に増えた
アイテムは個別装備から共通のカゴから使う方式になって手間が減った
戦闘の難易度はハードでやればなかなかのやりごたえ
弱い相手は大したことないが、場所によってはいきなり強い相手が出てくることがあるので気が抜けない
敵の一発の火力が高くて、システムが単純化したせいでごまかしもきかないので事前の準備や相性などが重要になってくる
・衣装変更
服の着せ替えは前作にもあったが今回は服にそれぞれ効果があり、それによって冒険の助けにもなる
数も普通に進めていけば5種類くらいは手に入るので豊富。最近のゲームは衣装はDLCばかりだから嬉しいところ
しかしそのせいで趣味要素だった衣装変更が有用な効果を持つ衣装に固定されてしまう悪い面もある
・フィリスちゃんかわいい
バカ元気ロリかわいくて見てるだけで和む
ソフィーもそうだったけど不思議シリーズはキャラゲーとしては素晴らしい
あと図鑑のおバカ解説が好きだったので続投してるのが良かった
・BGMはいつも通り高品質
マップが広くなって区切りがはっきりするようになったからかマップごとに専用曲が割り当てられている
前作であった昼夜の変化による曲調の変化もあり
●悪いところや気になったところ
・旅化による弊害
今までと勝手が違うからかゲームバランスやデザインなどが煮詰まっていないように感じる
寄り道してると時間が足りなかったり、調合Lvは上がっていくのに作れるものが少なかったりと言ったことになりやすい
逆に最短で進んでいくとせっかくの広々とした世界を回ることができなくなる、素材が足りなくて戻って集めないといけなくなると言うことが起こる
今回はアトリエシリーズにしてはめずらしく期限も結構厳しい
と言うよりは目的が大まかすぎて向かう先や目的地がハッキリとしないので計画を立てづらいと言った方が正しい
今回こそ期限なしで自由にやらせてほしかった
・仲間の扱い
仲間キャラとの出会い~仲間になる過程に無茶がある
道端にある見知らぬテントに唐突に入ってくる変な人ことレヴィー、道に迷ってるところを見つけてろくな会話もせずに仲間にできるようになるドロッセル、数言話しただけで一緒に行くわとなる前作キャラのオスカーなど
金払うと雇えるようになる傭兵のアングリフが一番まともな理由をしているという
固定のアトリエがなくて親交を深めづらいのでこういったことになったのだろうがもうちょいなんとかならなかったのだろうか
大半の仲間はストーリーの本筋に絡んでくることもない
付き添いのリアーネ、師匠のソフィーを除くと同じ錬金術士で友人兼ライバルなイルメリアのみ
他は姿を見せることすらないので空気どころかステルス
あまりにも空気すぎて話の流れ的に考えても最後までリアーネと二人旅してた方がしっくりくる
・移動が面倒
同一マップ内ではワープができるのでそこまで気にならないが、別マップにいく切り替わりのポイントの近くにワープできるポイントがないところが多い
1つならまだしも、2つ3つとマップを跨いで移動するのはかなり面倒
しかもその地点でしか取れない素材が序盤から結構出てくるので戻らざるをえないこともある(多少はショップからの購入で補えるが)
・レシピ発想
前作のようにひらめくものの一覧がないので何をすればどうすればひらめくのかがわかりづらい
ヒントが表示されるものもあるが戦ったり採取したりで突然ひらめくこともある
発想ポイントでどうにかしようにも思い浮かびそうな段階まで行かないとポイントでもどうしようもない
自分はストーリー上で必須なアルゲマイン合板のひらめき方がわからなくてここでだいぶ時間取られてしまった
・調合の面倒くささ
成分・色・サイズ・品質・特性・熟練・触媒……など求められる要素が多すぎる
成分が良いのに形がダメ、形は良いのに色が合わない、品質良くても成分悪いので効果発現できない……など完璧に当てはまる素材はまず見つからないレベル
ソフィーでは釜が担っていたパネル関連の強化や拡張が触媒と熟練に分かれたのでどのアイテムがどれだけ高度な調合ができるかもわかりづらい
触媒は普通の素材のように消費されるので使い放題とはいかないし、熟練は作っていかないと増えないので楽々に作れるものでも場数を踏まないと高度な調合ができない(似たカテゴリのものを作れば熟練は増えていくが)
更に、はめこむ部分でははめるパネルに特定の色が求められたり、はめるとマイナスになるパネルまであるのでわりと適当でも何とかなったソフィーとは違ってしっかりと吟味しないとうまく効果が上がっていかない
・耐性が5段階もあって一目でわかりにくい
・調合直前の素材入れ替えでこの錬金成分が見ることができないのが不便
・絵師二人の弊害で相変わらずイベントCGが少なめ
・一度発見したランドマークでも通るたびに発見時のセリフを言うのがおかしい
・戦闘の早送りがなくなった
●総評・感想
固定アトリエ撤廃と言う大きな変化を持ってきた今作
場所にとらわれずに広い世界を走り回って素材を集めて調合してと言うのはオープンワールドに近しいものもあり、一度こちらをやると1年前のソフィーですら古臭く感じるくらいの進化を感じさせる
しかし旅の要素を入れたせいかゲーム全体が歪になってしまった感がある
つまらないわけではないし、キャラゲーとして見れば主人公のフィリスちゃんは相変わらずかわいい
ただ、前作のソフィーが全方面で安定感抜群だったのと比較するとゲーム的にもシステム的にも方向性がガラリと変わったこちらは今までのシリーズが好きな人は受け入れられない人もいるかと思われる
自分は今回のシステムが好きなので次作では安直に従来のシステムに戻すんじゃなくて練り込んで進化させて欲しい
ちなみに問題点の大半は期限に追われがために感じるものなので試験後に時間無制限でやれるようになると途端に良ゲーになる
調合や発想の手間も広い採取地を回りながらまったりプレイしていくうちに自然とやれることが増えていくのであんま気にならない
しかし、そうなると次は調合時間が無意味になったり、それを短縮する触媒の価値が落ちたりとどこか噛み合ってない部分は見受けられる
何にせよ試験合格前はクッソ長いチュートリアルとして捉えて、そこまでは一気にクリアすることを激しく推奨
適当評価:☆☆☆☆
クリア後追記で☆+1