Until-Dawn-Cover
Until Dawnをクリアしたので感想。
クリア時間はだいたい7時間くらいで気合入れれば1日で十分終わる。
モロではないけどネタバレありなので未プレイの人は注意。
完全ネタバレが知りたい人はこちら

●良いところ
・グラフィック
ほぼ実写と言ってもいいほどのリアルさで光や水の表現なども恐ろしいほどリアル。
視点が動かせない旧バイオのような固定カメラ方式だがその分映画的な臨場感は高い。

・選択肢の統計が見れる
選択肢に他プレイヤーが選んだ割合を表示することができる。
こっち選んだ人の方が多いのかとか皆死に死んどるわーwみたいなゲームとは別の楽しみができる。

・トーテムでの予言
未来をぼんやりと見ることが出来るトーテムがゲーム中で出てくる。
かなり曖昧ではあるが、その分何が起こるか想像力が掻き立てられる。
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●悪いところや気になったところ
・バタフライエフェクト詐欺
本来の意味は「取るに足らない些細な行動が他のところで大きな影響を及ぼす可能性がある」ってことだと思ってたんだけど、このゲームのバタフライエフェクトは「人が生き死する重要な選択や事柄」って意味にしかなっていない。
「Aは○○をした→○○をしたせいで××になった→Aは死んだ」大半がこんな感じの流れで本来の意味に近い選択肢は皆無。
物語に影響しない選択肢の数はかなり多く、そういう些細なところから分岐するのがバタフライエフェクトって言うんじゃないかとツッコまずにいられない。
そしてどの選択肢を選んでもどこで死ぬかくらいしか物語が変化せず大筋は一本道でろくに分岐すらしない。
開始して最初に蝶の羽から枝分かれするようなものを見せて慎重に選べ!と言っておきながらこれなので余計に騙された感が強くなる。
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・ストーリーやキャラが微妙
半分くらいまでは悪くないが、唐突に出て来る化け物=ウェンディゴが出始めたところから路線がおかしくなってくる。
道中では裏で糸を引いている黒幕がいそうに見せておきながら、本当に化け物が暴れているだけなので更に落差が大きい。
そもそも化け物がなぜ突然襲ってきたのかが不明。
山奥とは言えケーブルカーが引いてあって別荘が置いてあるくらいのところでそれなりに人の往来はあるんだからこんなのがいたらこいつらが来る前から大騒ぎになってるだろうに。
キャラの魅力も薄い。
仲良し同士が山荘に集まって~って設定だけど、終始バラバラに行動していてどう見ても仲が良いとは思えない。
これなら見知らぬ人間同士の設定の方がマシだったんじゃないかと。
行動原理や性格に疑問を覚えるキャラも多く、半分くらいのキャラは自分から殺してやりたくなるくらいで助けたいと思うキャラがいない。

・周回の補助がない
選択肢飛びなし、スキップなし、早送りなし、移動が遅い、と周回させる気がないと言ってもいいくらいの不親切さ。
一応チャプターごとに途中から始められるようにはなるが、チャプターの区切りが長すぎるのでまったく役に立たない。
前述のように大筋の物語はまったく変わらず大半は同じ場面を見ることになりもはや苦行で、もしかしたらまだ何か分岐があるかもしれないと進めたくなる心をへし折ってくる。
ただし物語に変化がないおかげで2周目以降を無理にやる必要がないのが逆に救いとも言える。

・厳しいQTE判定
特に問題なのがモーションセンサーを使った「動くな」で、振動のせいか床置しても失敗することがある。
しかもこのQTEは生死に関わる重大な場面で出ることが多く、ミスるとだいたい一発で死ぬ。
そしてやり直したかったらチャプターからやり直すしかない地獄のコンボ。
それ以外の照準操作やボタン押しはそこまででもないが、大事な場面になると受付時間がかなり短くなるので人によっては厳しいかもしれない。

・画面真っ黒規制
グロいところは画面が真っ黒になって何も見えなくなる斬新な規制。
唐突に真っ黒になるので最初起きた時はモニタが壊れたのかと思った。
真っ黒規制の回数自体はそこまで多くなく、かかるところはグロ死亡シーンなのでストーリーが把握できなくなると言うほどではないが。

●総評
バタフライエフェクトと言う言葉で釣って出来の悪い映画を見させられるだけのバタフライ詐欺ゲー。
分岐なしでストーリーもただ怪物に追われてただ逃げまわるだけであり、結末があっさりかつ後味が悪いので終わり良ければとすらならない。
そして周回しようとすると周回の補助がないに等しいので苦痛になる。

やるならば最低でも「怪物から逃げる回るB級ホラー映画」だと頭にぶち込んでからプレイすること。
そしてバタフライエフェクトと言う言葉は完全に忘れること。
間違ってもサウンドノベル的な分岐やミステリーのような犯人探しみたいなものを期待してはいけない。
それさえ出来れば神グラフィックのムービーゲーとしてはそこそこ楽しめる。
かなり酷評してるけど途中まではハラハラドキドキで結構おもしろいのは確か。

適当評価:☆☆